昨日の高市総理とマレーシアのアンワル首相との共同記者発表全文ノーカット版です。
アンワル首相は、高市総理の「パワー・アジア」イニシアティブを高く評価するとともに、「2028年から20年間にわたり年間200万トンのLNGを供給する」という長期にわたる安定供給をコミットしてくださいました。
【お知らせ】
6月10日、高市総理とマレーシアのアンワル首相は、日・マレーシア共同記者発表を行いました。
※両首脳による冒頭発言要旨(速報版、仮訳)
(高市総理)
こんにちは、まず、アンワル首相の訪日を心から歓迎いたします。
日本とマレーシアは、「包括的・戦略的パートナー」として、幅広い分野で協力を進展させています。
基本的価値や原則を共有するマレーシアとの連携は、進化した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現にとって極めて重要です。
本日の会談では、2027年の「外交関係樹立70周年」も見据えて、「東方政策」を通じて育まれてきた両国の絆を、双方向で深化させる決意を確認できました。
まず安全保障分野では、特に「海洋安全保障」における連携の重要性を共有しました。海上自衛隊とマレーシア海軍による共同訓練や、OSAを通じた「能力強化支援」を継続することで一致しました。
また、海上保安当局間の協力文書への署名も行われました。この文書に基づき、共同訓練など、シーレーンを共有する日マレーシアの海洋分野での協力が更に深まることを期待します。
マレーシアは、貿易・投資の面でも日本にとって重要なパートナーです。
アンワル首相が推進しておられるマダニ政策と、私が提唱する成長戦略には、親和性があると感じております。
両国の成長戦略に基づく官民での協力関係を一層促進してまいります。
また、エネルギーに関する国際情勢の不確実性が高まっている中、日本にとって安定的なLNG供給国であるマレーシアとの協力は一層重要でございます。
首脳会談では、パワー・アジアの下、LNGや肥料原料を含む、エネルギー・資源の安全保障を実現していくことで一致しました。
重要鉱物のサプライチェーン強靱化につきましても、同志国やADB、世界銀行などとも連携しながら、両国間で具体的な協力を更に深めていくことを確認しました。
こうした成果を踏まえて、エネルギー安全保障及びエネルギー移行の協力に関する文書や重要鉱物の資源循環等の協力に関する文書が交わされたことを大変うれしく思います。
国際情勢が一層厳しさを増す中、こうした取組はいずれも進化したFOIPの下、日マレーシア、さらには地域の自律性・強靱性を高めるものと確信をしております。
今回の首脳会談を機に、更に両国間の絆を深め、包括的・戦略的パートナーシップをより強固なものとしてまいります。
テレマ・カシ(ありがとうございます)。
(アンワル首相)※日本語仮訳
ありがとうございます。高市早苗総理大臣、代表団を代表して、この上ない温かいご歓迎とご招待に心より御礼申し上げます。ご存知のとおり、一度総理にご招待いただくと、お断りするのはなかなか難しいものです。総理の率直さ、友情、そして両国間の包括的・戦略的パートナーシップの深化に、心から感謝申し上げます。今回、防衛・海洋安全保障、戦略産業・エネルギー移行、金融協力、人材育成、そして地域・国際情勢について、非常に実りある議論を行うことができました。
防衛については、マレーシアとしてこの分野を一層拡大していきたいとお伝えいたしました。マレーシアは海洋国家であり、日本は多くの分野において長きにわたり信頼できる友人であり続けてくれています。政府安全保障能力強化支援(OSA)をはじめ、多くの課題において共に取り組んでまいりました。本年のOSA協力については、最終化の作業及び海上安全・安全保障に関する協力を継続し、必要なあらゆる支援を行ってまいります。
日本は1970年代以来、マレーシアの工業化の推進において極めて重要な役割を担ってきました。日本の支援のもと、マレーシアは今や重要な国へと成長しつつあります。その原点には、日本の力強い後押しと、産業界・政府の強固な支援がありました。そして今、我々はAIの分野へと拡大しています。昨日、東京大学を含む大学との意見交換、そして本日の日経フォーラムにおいても、AIや半導体分野での協力強化の必要性について言及いたしました。マレーシアは今や半導体・デジタル技術のハブとして台頭しつつあります。重要鉱物や強靱なサプライチェーンの分野での協力も含め、もちろんオープンに取り組んでまいります。
「パワー・アジア」イニシアティブについてですが、日本の幅広い戦略は、我々の内閣を含めて非常に注目しながら追っています。総理がいかに大きな影響力をお持ちかがよくわかります。提起される各論点について、取り残されないようにしっかり検討しなければなりません。「パワー・アジア」イニシアティブの意義をよく理解しています。このたび、ペトロナスとJERAとの間で、2028年から20年間にわたり年間200万トンのLNGを供給する長期売買契約を締結いたしました。これは、両国の信頼と協力という観点から、まさに顕著な成果と言えます。
また、二国間通貨スワップ協定という金融取り決めにも(協力を)拡大しました。私が特に重視しているのは、リンギットと円による現地通貨建て取引の拡大であり、これにより互いの信頼をより強固なものにすることができます。日本銀行とマレーシア国立銀行の間で合意・理解が得られたことを大変嬉しく思います。また、発表された4つの協力覚書についても締結いたしました。ですから、これらについて確実に取り組んでいく時期が来たと思います。
地域的な問題についても多く議論いたしました。私がASEAN議長を務めていた際にも、「5つのコンセンサス」に関して支持いただいたことを大変感謝しております。ミャンマーがASEANの一員として受け入れられるよう同国との関係を強化していきたいと考えています。同国は一定の調整を行っています。我々は引き続き支援してまいります。
そして何より重要なのが、「自由で開かれたインド太平洋」に関する総理のアウトルックです。我々はもちろん、こうした取組を支持し続けてまいります。
改めて、素晴らしいおもてなしと、変わらぬ友情に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。