6月24日にセンチュリー・メディア・レコード移籍後初となる完全新作『ロス』の日本盤がリリースされる
#ゲリア。また、7月14日に代官山SPACE ODDにて初来日公演も予定されている。この投稿では日本盤ライナーノーツを担当させて頂いた私・島村が、分かりやすくこれまでのゲリアの活動をまとめていく。
ゲリアはポルトガルのポルトという港湾都市にて2016年に結成された。現在のメンバーはALPHA(ヴォーカル)、BETA(ギター)、DELTA(ギター)、RHO(ベース)、 XI(ドラム)の5人。メンバー全員がギリシャ・ヘブライの悪魔王・アスモダイに由来する紋章が描かれたマスクを着用し、黒ずくめの姿で活動している。
結成同年にセルフタイトルEP作品『Gaerea』を、2018年にはフルアルバム『Unsettling Whispers』をリリースした。初期はブラックメタル色の強いサウンドを特徴としていたが、その一方で歌詞では現在にも通じる苦悩や精神麻痺などをテーマとしていた。
2019年10月にブラックメタルを重点的に扱うフランスのレーベルSeasons of Mistと契約。翌2020年にリリースされた『Limbo』では、それまでのブラックメタル路線を踏襲しながらも、オーケストレーションやクワイア(合唱)を導入。後の作品へと繋がる大作志向の片鱗を見せた。
『Mirage』(2022)では曲構成にドラマ性を取り入れ、サウンドのスケール感を押し広げ、よりシネマティックな作風へと接近。そして、傑作と名高い『Coma』(2024)では、ポストロックの開放性などを取り入れバンドの音楽性を洗練させることで、よりモダンなサウンドへと昇華した。
2025年8月にセンチュリー・メディア・レコードと契約し、2026年3月20日に最新作『ロス』がリリースとなった。本国ポルトガルのチャートではバンドにとって最高位である7位と好発進だ。初期に体現していた純然たるブラックメタルを起点とし、その後の作品で取り入れてきたオーケストレーションやスケール感のあるアレンジをさらに発展させた本作。
グロウル一辺倒ではない新たな表現を取り入れたALPHAのヴォーカルスタイル、そして喪失や混乱、インポスター症候群といった内面的な負の感情を扱った歌詞など、これまでに彼らが追求してきた音楽性を確固たるものにしたアルバムであると同時に、次なる活動への布石ともなっている。
今後の活動にも期待が高まるが、まずは6月24日リリースの『ロス』をチェックして欲しい。また、ゲリアにとって本作は日本デビュー作となり、国内盤にはボーナストラックとして「ラッシュ」と「イエスタデイ」の2曲が収録されている。