世間の『視覚障害』の誤解。
他にもあればコメントで教えてください。
1.視力ゼロ。
視力2.0の人もいます。
2.視界が暗い、(黒い)。
視界が眩しい、ビビッドな色の人もいます。
3.見えない部分は黒い。
見えない部分は見えません。邪魔な色付きのモノで見えない人もいます。
4.特に音感、音楽センス、皮膚感覚が鋭い。
そんなことはありません。音痴もいます。
5.白杖の先ですぐにモノを把握できる。
できません。
6.心の眼で相手の考えていることがわかる。
わかる訳がありません。
7.土地勘、空間把握能力がすごい。
方向音痴も大勢います。
8.記憶力がすごい。
普通です。
9.暗算が得意。
普通です。
10.味覚が鋭い。
普通です。
11.スマホもコンピュータも使えない。
使えます。(ただし、ダメなプログラマーがつくったソフトは使えません)
12.日本語のすべてが点字で読める。
読めません。漢点字はあるけど、読める人は極少数。
13.みんな点字が読める。
読めません。
14.紙に書いた文字は読めない。
印刷物ならスマホのカメラAIで読めます。下手な字は無理です。
15.テレビやYoutubeや動画サイトは見ない。
よく観ています。
16.いつもキレイに整理整頓している。
脱ぎっぱなし、置きっぱなしの人もいます。
17.割り箸が割れない。
割れます。
18.おしゃれより実用優先。
みんな好きな格好をしています。
19.いつも気を張り詰めて歩いている。
『ぽやぁ』と歩いている人もいます。
20.物静かで温厚。
喧しい人も、面倒くさい人もいます。
【閑話】
私は、研究対象については『全盲』と書き、人権や制度などを扱うときには『視覚障害』と書く。
視覚障害には種類と段階があり、その連続性を『グラデーション』と呼ぶこともある。
色差や明暗の判別が困難な色覚障害向けのインターフェースは、全盲には意味がない。一方で、全盲向けのインターフェースは、色覚障害にとっては冗長に過ぎる。同じ視覚障害であっても、グラデーションのどこを対象にするかによって、支援内容は大きく変わる。
私の研究対象は、『触覚、聴覚を使い、点字や音声を通じてのみ情報を得るひと』である。さすがに長い。だから便宜上、もっとも近しい『全盲』という語を使っている。
もちろん、『全盲』も状態を指すのか、人を指すのか曖昧ではある。そのあたりは文脈で察するように書いているつもりだ。
『当事者』という語は、原則として使わない。
当事者という言葉には、ものごとに直接関係した特定の人格を指す印象が強く、正直なところ、私には使いどころがあまりない。福祉や啓蒙の文脈では頻繁に登場する。多くの場合、それは『情報の主体や責任を曖昧にする方便』のように使われているように見える。
日常生活の中で、当人が自分をやわらかく表現するには良い言葉だと思う。
ただ、技術や論理を扱う場面での『視覚障害』や『障害当事者』という言葉は、あまりにも曖昧で、実際には何も捉えていないに等しい。
言論や資本による派手な統合には魅力がある。
同じように、『視覚障害』や『障害当事者』といった、曖昧に統合された言論にも魅力がある。
しかし、統合には基礎が必要だ。
個別の、ひとつひとつの取り組み。
あまり人気はないけれど、そういう地道な積み重ねに興味をもつひとが増えると期待している。