若手起業家がデカいチャレンジしない論争。
東証健全化で上場企業の方がガバナンスと成長戦略頑張ってるので、資金の出し手にとってスタートアップの魅力が相対的に減ったからだと思っています。
実際調達総額は減っているので、起業家側は営業CF頑張る方向で環境に適応しているだけです。
私は日本人は元来グローバルビジネスに向いていると思っています。
一方でそれがかなり認知しづらい構造になっていると感じます。
以下で説明していきます。
---日本人が海外ビジネスに向いている理由---
日本は戦後まだ世界情勢が不安定な中、商機を求めて商社マンやメーカーの営業が世界中に派遣されました。
私が所属していた自動車部だけでも国の発展に貢献するような伝説の商人の話をいくつも聞きました。
・チリで革命が起こった際、軍部にトヨタ車を売り込んで広めた現地採用の営業
・マレーシアでマハティール首相を日本に誘致し国民車事業をダイハツと立ち上げ、マレーシアで爵位を授与されたマレーシア支店長
他の部署も合わせると伝説にはこと欠かないのですが、当時誰よりもベンチャースピリットを持って海外に出ていたのは、俗に言うニッポンのサラリーマンなんですね。
ニッポンのサラリーマンは24時間働けますかのスローガンの元、国内外を動き回って商機を見出し、各国政府と交渉し、命を危険に晒され国益と途上国の利益の為に東奔西走しました。
その際、戦後の苦しみと、驚異的な成長力で名誉白人(死語ですが時代背景含めて敢えて)として西側No.2の地位を確立しました。
ペルーで代理店を10年やった先輩の商社マンに教えてもらったことは「日本人は発展途上な国(及び市場)とそこに関わる人々、そして欧米社会の人々両側の視点が持てることが強みだ」ということです。
欧米社会は自己都合がベースなので、途上国に対して約束を反故にしたりということが多いものの、日本人は誠実に対応する傾向にあると。
---それが発揮しにくい現状---
ただアニマルスピリットで成長してきた日本企業も、会社の規模が大きくなり、バブルが崩壊し、リスクマネジメントが要求される中で大企業が求める人材に変化が生じてきました。商人根性のある人はベンチャー企業に就職するも、市場は国内のみ。
なぜなら資金の出し手の多くが国内のベンチャーキャピタルで、VCに出資しているのはリスクマネジメントを是とする大企業です。
いきなり「ウガンダで解体されたトヨタ車を解体してケニアにパーツを輸入します」と言っても、資金の出し手にマーケット感がないのと、LPへの説明コストが高すぎて「とりあえず国内で実績作る為に日本に中古車売ろうか」という話になってしまいます。
(国外ベース x クリプトという超絶ハイリスクの弊社に出資してくれているVCや投資家の皆さんはそういう意味で最高のパートナーなのですが、別の機会に)
アメリカは資金の出し手がそもそもリスク許容度が高いので、多産多死を是とし国内外問わずパワーロー戦略を取れるという優位性があります。
ここで戦後〜バブルとスタートアップが一般認知されてきた日本を比較すると、明らかな違いは資金調達環境です。ニッポンのサラリーマンは資金の出し手が「海外に出ろ!」と言っていたのですね。
総合商社の売上はばらつきありますが95%程度が海外由来です。
近年は資金の出し手が積極的に国外に出ることを推奨してきたかというとそうではありません。そもそもスタートアップが新しい概念ではあるので発展途上ということもあります。
私は19-22歳の頃商売として桃を香港に輸出したり、ユンボをガーナに輸出したりしていましたが、当時はスタートアップという言葉すら一般認知されていませんでした。
しかし現在は国外への積極的なチャレンジを支援する資金の出し手が増えているように思います。
これは一方的に出資者に起因するということではなく、起業家側のリスク選好が低く「ひとまず国内AI受託で個人資産X億円作るか」という思考になっていることにも起因します。是非を論じたい訳ではなく、構造としてそうなっているということです。念の為。
また国外に出る起業家側の市場の解像度が低いパターンも多々あり、「東南アジアで何かやります」というレベルの事業解像度でチャレンジすると難しいです。
「ガーナでシアバターが大量に採れて安いものの加工技術が無くロスト率が高いので、日本のXXという技術を使って現地に工場をつくって、流通は既にYYを確保しています」くらいまで解像度を上げる必要があります。
是非を論ずるというより、マクロでは資金の需給どちらも希少であるという見方ができますね。
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日本人はグローバルビジネスでユニークなポジションを築ける可能性があるものの、資金の出し手の意向によって近年それが可視化されてこなかった歴史について考察しました。
資金需要側も希少なので、日本人ならではの視点のユニークさと、供給側も増えてきていることから国外でのチャレンジは今後やり甲斐があると思います。
弊社のインターンには自分の事業を成長させたいが、収益化するまで弊社で働いてくれている人も結構います。私もそういった方のサポートができるようにしていきたいと思っています。