こうやって環境のせいだと大人が分析しているうちにも、「大きい一発を狙う若者」は虎視眈々とやっている。
出会えてないだけ。
10年後、結果になって現れる。
見える人にしか、見えないバカでかいチャンスはいつの時代にも存在する。
なぜ若者は大きい一発を狙わなくなったのか
先日、WEBでこんな投稿を見かけた。
「最近、大きな夢を追い求める若者が減った気がする」
確かにそうだなと思う一方で、そりゃ仕方ないだろという気持ちも湧いた。
理由は単純で、若者がリーチできる範囲に、解決可能な課題がもう残っていないからだ。
大人目線で語られる理屈の一つは例えばこうだ。
「上場のハードルが上がってコスパが悪くなったから、若者は追わなくなったのだ」
一理あるし、一見正しい。
維持基準が変わってエクイティも難しくなった今、大きいのを当てるのは厳しい、だからコスパ重視の若者は当てにいかない、と。
ただ現場の最前線にそれなりに立ってる身として言わせてもらえば、ここまでトレンドをキャッチアップできてる若者がそういるとは思えない。
そもそも一発当てようと息巻いてる人間が、上場維持基準の変更を気にして起業を諦めるだろうか。
気にしないと思う。
だからこの理屈は、現状の若者全てには当てはまらない。
本当の理由は、もっと身も蓋もない話だ。
昔と違って、若者がリーチできる範囲に、解決できる課題がないのだ。
学生や若い人が立ち上げるのは、圧倒的にC向けが多い。
社会人経験が浅いから、B向けで起業するのは難しい。
これは仕方ない。
そして若者は、流行り廃りに敏感で、おっさんより鼻が効く。
だからC向けは本来、若者の独壇場だった。
ところが2026年の今、見渡す限り大抵のC向けにはファーストペンギンが君臨している。
セカンダリーマーケットならメルカリ、スキルシェアならココナラ、クラウドソーシングならクラウドワークス。
コミュニティもECもメディアも、もう何年も前から先行者が陣取っている。
彼らはもともとスタートアップだったから、自分のシェアを奪われないよう、長い時間をかけて地盤を固めてきた。
ネットワーク効果、独自チャネル、スイッチングコスト、コミュニティ。
これらの競争優位性をガッツリ積み上げてきたのだ。
そこに今の若者が、ちょっとAIを絡めた程度の新規性で挑んだところで、勝ち目はない。
もちろんC向けに課題が一切ないとは言わない。
ただ残っているのはペインの浅い課題ばかりで、しかもおっさん起業家が既に見つけて「旨味がない」と放置してきたものだったりする。
そんなもので起業しても大きく跳ねない。
ではB向けはどうか。
B向けには余地がある。
ただ5年前と決定的に違うのは、若者が解決できる範囲に課題がない、ということだ。
少し前までは、B向けは未開拓すぎて、WEB系ソフトで殴れる領域がいくらでもあった。
社会人経験が浅くても、パソコンとWEBを駆使すればそれなりのものが作れて、それなりにリーチできた。
ところが2026年の今、B向けでもWEB周りで殴って勝てる領域はもう残っていない。
あるのは、現場実装まで含めて初めて成立する領域ばかりだ。
一気に重くなって、若者の手には負えなくなる。
時系列で整理するとこうなる。
2010年頃 C向け課題だらけ/B向け課題だらけ
2015年頃 C向けが埋まり始めた/B向け課題だらけ
2020年頃 C向け終了/B向けはWEB周りが埋まり始めた
2025年以降 C向け終了/B向けもWEB周りは終了。リアル実装絡みのみ残る
こうして並べると、見える景色は割とはっきりしている。
若者がリーチできる範囲では、もう大きく当てられる課題は残っていないのだ。
だから今の若者が大きい一発を狙わないのは、夢がないからでも気概がないからでもなく、ただ冷静に勝てない勝負を避けているだけ、というのが僕の見立てである。
これを元気がないと嘆くのは、たぶん筋が違う。