種苗関連2法案に関する昨日の衆議院農林水産委員会の審議を受けて、要請書第2弾を出すことにしました。
正直、かなり異様な審議でした。参考人は種苗開発者の側だけで、使う側の農家の権利、消費者の権利はまったくスルーです。「ゲノム編集」を進めることは私たちの総意ではありません。これで16日に採決して、日本のタネに大きな影響を与える法案を参議院に送ってしまうということは許されないと思うので、手間はかかりますが、FAXで以下の要請書を送ります。FAXの送り先は以下のページの末尾にリストがあります。
v3.okseed.jp/news/8431
僕は全員に送ります(FAX番号を公開していない人の場合はメッセージフォームで[メッセージフォームに来たものがすぐにチェックされるとは思えないので、FAXの方が有効だろうと思います]が、もしみなさんもできたら、ご自身の選挙区の議員だけでも送っていただけるとありがたいです(内容は自由に書き換えてください)。
テキスト版は末尾に貼り付けますが、Word版のファイルは以下からダウンロード可能です。
m.inyaku.net/seed2
---------------------------------------------------
「重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(新育苗法案)」および「種苗法の一部を改正する法律案」についての要請
2法案の審議が衆議院農林水産委員会で始まりました。今後の日本の種苗に大きな影響を与える法案だけに、特に以下の件について、慎重に審議いただきますようお願いいたします。
1. 種苗を使う側の農家、食品を購入する消費者の立場に沿った参考人の招致
タネにおける政策については、世界中で、常に種子企業の側の権利と農家の権利のバランスを取ることの重要性が謳われます。それは国連食料農業植物遺伝資源条約、国連小農および農村で働くひとびとの権利宣言においても強調されています。
しかし、6月11日の参考人は2人とも育種(新品種開発)側の方だけでした。これだけで終わるのでは、農家の側、あるいは消費者の側を無視した審議となってしまいます。
農家の側に立った参考人、消費者の立場に立った参考人の招致を求めます。
2. 多国籍企業による育種データの流出と地方自治への介入の危険性
今後、日本の種苗データが農研機構の育種ビッグデータに蓄積され、新法に沿って、多国籍企業が参入すれば、日本の育種データが海外に流出してしまうことは防げなくなります。また、育種データベースの運用においてはその種苗データの権利主体(その種苗を開発した人、長年守ってきた人たち)の尊重が不可欠な条件となります。そのためにもデータが使用される場合にはその人たちへの報酬が支払われる等、その権利が侵害されることがないように、慎重に運用原則が定める必要があります。
また、多国籍企業が参入する場合、自社の種苗の生産のために都道府県基本計画を作り、地方自治体に提案することも可能とされており、それが実現してしまえば、地方自治に多国籍企業が介入する手段をわざわざ提供してしまうことになってしまいます。多国籍企業の提案を拒否すれば地方自治体は訴訟の脅威にも曝されるでしょう。
この道を断つためにも新育苗法案第12条第7項などの削除などが必要になります。拙速な法案審議に反対します。
3. 種苗への遺伝子操作有無表示の重要性
英国では2023年にゲノム編集を使った育種法について精密育種法を定め、安全審査をせずに、表示も必要としない流通を認めました。しかし、今年6月4日に英国高等法院は、この英国政府の決定が食品のトレーサビリティを不可能にして、特に有機農業の存続に大きな脅威を与える不正なものであるとする判決を出しました。
一方、欧州議会では6月17日にゲノム編集生物の取扱規則を大幅に緩和した方針を認める可能性が報道されていますが、少なくともゲノム編集種苗には表示義務を課すことになりそうです。
現在の日本では遺伝子操作に関しては一切の種苗の表示義務が存在しないため、このままでは今後の日本の食のトレーサビリティ、信頼が失われてしまいます。この2法案は種苗の輸出を目的として掲げているものの、表示なしには種苗の輸出もままならないことになってしまいます。種苗への遺伝子操作の有無の表示義務を日本でも確立すべきです。
名前
連絡先