実は近年、1回穿刺で必要量をまとめて取るやり方(single-site sampling)が、2か所穿刺と比べて検出率で劣らないっていう報告がけっこう増えてる。アメリカは伝統的に2か所穿刺だけど、海外でも「1穿刺でいいんじゃない?」って流れが出てきてる感じ。
あ、ただ大前提。病院のマニュアルが決まっていたら当然従ってくださいね!
これはまだ「ガイドラインが1穿刺を正式に推奨してる」わけじゃない。今のsepsisガイドラインは穿刺回数まで指定してなくて、あくまで非劣性のエビデンスが溜まってきてる段階。日本でも感染症科の先生で研究してる人がいる。
で、いちばん大事なのは穿刺部位を変えることそのものより、コンタミをしっかり防いだ上で十分な量を確保すること。血培の検出率は採血量と相関するっていう強いエビデンスがあって、むしろ2か所穿刺の方が穿刺機会が増えるぶんコンタミが増える傾向すらある。
だから無理に場所変えて鼠径いくくらいなら、同じ上腕で2回穿刺でも全然いい。穿刺を増やせばそのぶんコンタミの入口も増えるので、量とコンタミ管理を優先してほしい。(鼠径が他部位より特に汚染しやすいかは、部位別の直接比較データが手元にないので断定は避けます)
参考文献
・Single-Sampling Strategy vs. Multi-Sampling Strategy for Blood Cultures in Sepsis: A Prospective Non-inferiority Study. Front Med. PMC7390949(前向き非劣性: 病原菌検出で非劣性、コンタミはMSS 7.3% vs SSS 5.3%)
・Henning C, et al. Single-Site Sampling versus Multisite Sampling for Blood Cultures: a Retrospective Clinical Study. J Clin Microbiol. 2022. PMC8849186(SSSで陽性率・採血量↑、単一セット採取↓)
・Single-site versus multisite sampling strategy in blood culture collection: A systematic review. Am J Infect Control. 2025
・CDC, Preventing Adult Blood Culture Contamination(採血量20–30 mL/set、CLSI/IDSA準拠)