んー、わたしが読んだ本からの情報とは違うけど…。そうなのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
わたしは初女さんがご存命の間に会えたときのことを、今でもガチで記憶してます。
死のうと思っていた青年を、救ったのは言葉じゃなかった。
昭和58年、青森。
佐藤初女さんという女性が、自宅を開放していた。
悩みを抱えた人なら、誰でも来ていい。
ただそれだけの場所だった。
ある日、死を決意した青年がやってきた。
初女さんは何も言わなかった。
説教もしない。
引き止めもしない。
ただ、台所に立った。
「少し待って」
帰りの列車の中で、青年は渡された包みを開けた。
タオルに包まれた、おむすびがあった。
ほんのり、温かかった。
口に運んだ瞬間、お米がほどけた。
まるで生きているみたいに。
青年は泣いた。
誰かが、自分のためだけに、手を動かしてくれた。
それだけで、人は生きることを選べる。
初女さんは94歳まで握り続けた。
たった一人のために。
名前も知らない誰かのために。
「食はいのち」
その言葉の重さを、今日はじめて知った氣がした。