よくある「AI絵っぽいな」の感覚って、実は、人間にしかわからない。
美術予備校で受験用の絵を描いていた頃、
まだ初心者だった僕は、時間内に描き切れないことが多かった。
でも、上手い人の絵を見ると、ぱっと見で華があって、
どこも丁寧に描き込まれているように見える。
ところが、近づいて見ると違う。
少ない手数でさらっと済ませているところもあれば、
主役や視線を集めたい場所には、明らかに手数がかかっている。
何枚も見ていると、だんだんわかってくる。
「あ、この人、花を描くの好きなんだな」とか、
「この人、描きたくないものを隠すのがうまいな」とか。
つまり、人間の絵には「めんどくさい」がある。
上手い人ほど、めんどくさいものを画面の隅に追いやって、
必要最低限だけ描いて済ませる。
それは時間配分の技術でもあるけれど、
もっと感情に近いところでは
「ここはめんどくさい」「でも、ここはどうしても描きたい」
という、人間の都合がそのまま画面に残っている。
でも、AIには、その「めんどくさい」がない。
「うわー、だるい」もなければ、
「楽しい! 永遠に描いていたい!」もない。
だから隅から隅まで同じ熱量で描けてしまう。
それが、どこか気持ち悪いのだと思う。
AI画像を少し怖く感じるのは、
絵の中に人間の疲れや諦めが見えないからかもしれない。