『男が痴漢になる理由』を読み終えた。著者は長年依存症の加害者臨床に携わっている方。経験上、男性が性犯罪加害を論じるときは考えが甘いと思うことがあるが、この本は私でもストレスなく読めた。
私は「痴漢は犯罪です」というフレーズは被害者のことを考えていなくて嫌いだったんだけど、著者は「痴漢は被害者に申し訳ないと思わない」と断言している。悲しいけどそれが事実だと思う。罪悪感があるならそもそも痴漢なんてやらない、繰り返さないしね。厳罰化と社会の在り方を変えなければ痴漢はなくならないと改めて思い知った。
死刑囚に同情する刑務官がいるように、加害者臨床をやっていたら少しは加害者にとって甘くなりそうだけど、一切の妥協なく性加害の本質を捉えている著者はすごいと思った。しかも男性でここまで理解している人はなかなかいない。
2017年の本なのでまだ痴漢が迷惑防止条例違反や強制わいせつ止まりだった頃。ちょっと昔の情報だけど、それでも加害者心理の勉強になった。