sé que ya no sé quien soy…
◼枯れたら混ぜればいいんです 「このあいだ、熟成のピークは30から35年だって、お客様に言われたんですよ。婚期逃すぞーって」 私は大きなため息をついて、愚痴を口にした。 馴染みの客である彼は笑顔を浮かべて、自身のことをウイスキーの熟成に例えて言う。 「それを言ったら、もうすぐ50歳の僕は度数が落ちて、枯れているかもしれない」 目元の笑いシワに、彼の優しい人柄が滲んでいる。 太陽はまだ天高く、...