昨年、日本構造家倶楽部の20周年企画としてシンポジウムを開催した「時代を超えて継承される構造デザインの志」が特集された建築技術が発刊されました。
この企画は我々中堅構造家が大先輩の構造家6名(斎藤公男氏、佐々木睦朗氏、和田章氏、金田勝徳氏、中田捷夫氏、梅沢良三氏)からその志を継承するというもの。
私は佐々木睦朗氏を班長として担当させていただき、計10時間以上、OBの皆さんも合わせると15時間以上のインタビューを行いまとめたものです。
すでに多くの書籍や作品で紹介されているエンジニア・研究者との佐々木氏ではなく、人間・佐々木睦朗氏について掘り下げています。
奥三河・東栄町の故郷の祭での霊的体験、名大・松岡研時代に没頭した幾何学シェルという源泉、志をもって実務の世界に入った際の挫折、ポストモダン期のやせがまん、高杉晋作へのあこがれと伝統芸能、そこからつちかった間とプロポーションの美学、師匠・木村俊彦がもたらした外乱とブレークスルー、最適化技術がもたらしたシェルとの邂逅。
人生を切り開くのは建築や技術そのものではなく、個人的な原体験や出会い、挫折、そのときにした決断の連続なのだろうと思います。
やや手前味噌ですが、これだけパーソナルな佐々木氏の個人史を掘り下げ、まとめた文章はあまりないはず。もちろん、他の5人のレジェンドについての特集も読みごたえ十分です。
ぜひお手にとっていただければと思います。