“クールカルト”なデザイン。
海外メディアから『POPEYE』は日本の“クールカルトマガジン”だと紹介されたことがある。よく言及されるのは写真と文字、イラストがぎっちり詰め込まれたレイアウトの魅力についてだ。これは最近のスタイルというより、『SKI LIFE』や『Made in U.S.A.catalog』から続くお家芸と呼んでいいのかもしれない。それを作ったのがADの新谷雅弘さんだ。これは創刊3号のレイアウト指定紙を再現したもの。この号で初めて「ポップ・アイ」が掲載された。「ポップ・アイ」とは、初期『POPEYE』を代表する短冊型の人気コラムで、スポーツ、音楽、映画、ファッション、玩具、ゴシップに至るまで、編集者たちの好奇心の赴くままに海外のあらゆるポップ・カルチャーを紹介した。いまは「POP×EYE」と名前を変えて、巻頭のファッション連載になっている。当時はパソコンなんてものはなく、定規とペンを駆使して、レイアウト指定紙を作っていた。筆まめな新谷さんからはこんな手紙も入っていた。「細々と書いた指定はほぼこの通りで、編集・レイアウト・ライター・校正・印刷者に宛てたものでした。毎回、手紙を書いていたような(笑)ものです。ADは最初の設計者であり、最初の読者でもあります。ポップ・アイのこのスタイルが典型になってくれてアチコチで展開されたのは光栄でした」。ちなみに前ページの原稿用紙も新谷さんがデザインしたものだ。当時は雑誌が創刊されると、封筒やポジ袋(フィルムの袋)なども含めADがデザインした。深夜作業の多かった原稿書きで文字数を間違わないようにと、上下左右に細かく数字が振られており、右側にはデザイナーへの指示を書いたり、資料が貼れるようにと余白を残した。原稿用紙一枚とっても、その雑誌の個性が表れる時代だった。
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