吉本隆明が亡くなった時、NHKニュースでコメントを求められた浅田彰が答えた吉本の意義は「反体制には共産党しか選択肢の無かったあの時代に共産党を批判したこと」だった。私より上の世代の人はこういうところを見ている。私は六〇年代生まれで、「マチウ書試論」をそんなこと抜きで鈍感に読んでいた
ついでに一言。吉本隆明の評価にかんしては諸説ありうるだろうが、誰も言ってそうもないので、僭越ながら私ごときに言わせてもらえるなら、ともあれ継承され、研究されるに値する第一の点は、政治思想におけるこの「反スタ」の意義だろう。左派であるためにはまずは共産党(的なもの)とこそ闘わねばならない、ということには今日なお(こそ)非常に重要な意味があるはずだ。