63歳男。もと占い師。チェス。日本近代文学。現代詩、埴谷雄高、古井由吉。思想書。仏教、ヴィトゲンシュタイン。音楽。ジョスカンデプレ、バッハ、ハイドン、ウェーベルン、武満徹、スカルラッティ。

Joined September 2011
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「柄谷行人中上健次全対話」を二日で読了。正直なところ、深い内容ではない。ただ、中上を相手にしている時の柄谷が、安心しきって好き勝手しゃべっているのがうれしい。芸能番組ならイニシャルトークになるところの悪口が連発される。蓮實重彦、渡部直巳、高橋源一郎は「日本野球浪漫派」なんだそうだ
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私が最初に見た「ゴッドファーザーPART II」はテレビ放送で、そこで、裏切りを疑われたトム・ヘイゲンが涙ながらに命乞いをする場面があった。二度目はwowowで、その場面は無かった。今日の午前十時の映画祭でも無かった。つまり、最初のは版が違うのか、私の捏造記憶か、別の映画との混乱か、である。
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午前十時の映画祭でコッポラ「ゴッドファーザーPART II」を。三度目だ。生涯最後のつもりで見てきた。日本史で映画化したら、八幡太郎義家と頼朝をかわるがわる見せる感じ。マイケルの冷酷と似たとこが私にもある気がして、ひと事ではない気持ちで見てしまう。彼との違いは妻と子に救われていることだ
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映画40。高槻の「スペイン映画祭」を思い出した。スペイン語圏の佳作を紹介してくれた。無くなった、と長らく思ってたが、いまは「ラテンビート映画祭」らしい。「同じ月の下で(La Misma Luna)」が良かった。メキシコの九歳男子が主人公で、母はアメリカにいる。電話で母の近所の街並を聞いている。
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この作品が今後日本で知られることは無いから、ネタバレしよう。男の子は母に会いたくて、一人でアメリカを目指す。その苦労話だが、最後、国境を越えたところで移民狩りに追われる。逃げて逃げて、でも絶望するしかないその瞬間、顔を上げてハッとする。電話どおりの母の町にいる!ここで私は嗚咽した
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寝酒の肴はモーツァルトのピアノ協奏曲第二十二番K.482を、カサドシュとセルで。昨年からよく聴くようになった曲である。大好きな変ホ長調だし、いままであまり聴かずにいたのが信じがたい。今夜は浮き浮き気分の第三楽章を二度再生した。
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私は柄谷信者なのだけど、マルクスと中上健次が面白くない。柄谷行人回想録「私の謎」を読むと、やはり気になってきて、「柄谷行人中上健次全対話」なんて読み出した。読んだものばかりだが、良い部分は良い。中上「小説は物語に対する信仰と、信じないという罰当りスレスレを、絶えず飛ぶんですよ」。
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映画39。定職を得てからしばらくして、また映画館に通うようになった。学生時代と違って、新作ばかりである。頼りにした映画雑誌が「PREMIERE(プレミア)日本版」だった。「春夏秋冬そして春」や「トニー滝谷」を教わった。二〇〇五年四月に無くなってしまった。なぜか「キネマ旬報」は見たことが無い
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吉本隆明が亡くなった時、NHKニュースでコメントを求められた浅田彰が答えた吉本の意義は「反体制には共産党しか選択肢の無かったあの時代に共産党を批判したこと」だった。私より上の世代の人はこういうところを見ている。私は六〇年代生まれで、「マチウ書試論」をそんなこと抜きで鈍感に読んでいた
Replying to @hitoshinagai1
ついでに一言。吉本隆明の評価にかんしては諸説ありうるだろうが、誰も言ってそうもないので、僭越ながら私ごときに言わせてもらえるなら、ともあれ継承され、研究されるに値する第一の点は、政治思想におけるこの「反スタ」の意義だろう。左派であるためにはまずは共産党(的なもの)とこそ闘わねばならない、ということには今日なお(こそ)非常に重要な意味があるはずだ。
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NBAは半世紀ぶりにニックスが優勝した。二年前だったか、怪我人続出でも勝ち上がりながら、ついに力尽きた時を思い出す。さらにその昔は、長澤壮太郎が無能なオーナーにキレまくってたなあ。今年はとにかく第4Qのブランソンである。二十点差どころか、二九点差でもひっくり返すのだから。
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映画38。我が家のDVDはたぶん五百本くらいだ。いちばん多いのはヒッチコックで、録画したのも含めば、五十本近いはずだ。全作品に近い。「ヒッチコック劇場」の担当作品も加えれば、もう少し増える。ハイドンを聴くような感じで見ている。スポトーの伝記や、トリュフォーとの対談「映画術」も読んだ。
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柄谷行人回想録「私の謎」読了。これで、今年に彼が四冊も出したうちの二冊を退治した。聞き手の滝沢文那が優秀だ。国民、国家、資本は強固に連結している、それについて、「悪いことでもなさそうですけれども」と尋ねてくれた。柄谷の回答はシンプルで、「それは恐慌と戦争をもたらす」。よくわかった
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柄谷行人回想録「私の謎」を七割ほど。ここまで読んで残念なことが一つ。交換様式論の発想は七十年代にすでに見られる。私は何度かツイートしてきた。しかし、本書によると、たくさんの人が彼にそれを伝えているそうだ。たしかに、読んでいれば誰でも気づくわな。重要な発見をしたつもりだったけれど。
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読売新聞、「露軍の支配地域は4〜5月の2か月連続で純減したとみられ、ウクライナが領土を奪還している模様だ」。ウクライナの無人機がロシアの後方支援を妨害する作戦が奏功している。ロシアが米企業の衛星通信網「スターリンク」への接続を二月に失ったのも大きい。クリミアの孤立化が成るか否か。
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黄昏の音楽散歩はモーツァルトのピアノ協奏曲第十八番K.456と十九番K.459を。ニサンザイ古墳の夕陽がきれいだった。これで十番台の九曲を久しぶりにまとめて聴いた。どれも良かった。駄作率の低さという面では二十番台よりもすぐれている。聴き直すきっかけになったハスキルの十三番K.415は特別だな。
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侯孝賢「冬冬の夏休み」を。都会から田舎に来た子供の夏休みを描いたよくある映画で、もともと失敗する確率は低いが、見る者も想定以上の期待はしない。作る方にも感動させる気は無さそうだ。もちろん、そこが良い。野外の画面が素人くさいほどあっさりして、屋内は一転して格調高いように感じられた。
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映画37。わかる人にはわかる、という共感が蓮實重彦の磁力である。たとえば蓮實も私も「鉄路の白薔薇」を見ていた。熊井啓はくだらないと同感できた。蓮實を読んでいる限り、私は「映画のわかる人」でいられる。でも今は「鉄路の白薔薇」くらい見ても自慢にならぬ。また本当に熊井啓はくだらないのか?
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映画36。蓮實重彦にはたくさんの監督を教わった。一人挙げればエリック・ロメールである。「海辺のポーリーヌ」について、「もちろん主題は恋愛である。現代にあっての愛を、ドラマからは最も遠い純粋形態として慎み深く提示すること、それがロメールの喜劇の最大の美徳なのだ」。わかる人にはわかる。
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また職場の昼休みに無声映画を見ている。ヒッチコック「快楽の園」を検索したら、NHKが放送した日本語字幕版が見つかった。百年前のデビュー作である。「映画術」と比べると、結構違う。特に、最後の「やあ、こんにちわ、先生!」は字幕が無いから伝わらない。また、湖で殺される女性は「自殺」だと。
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昨年久しぶりに読み返して感激した北村透谷「蓬莱曲」を今年も読了。生きていたくないから死ぬこともできない、また、生きていたいから死んでしまいたい。こんな甘美な情熱に取り憑かれて放浪する貴公子の果てしない胸騒ぎ。昨年は「日本近代詩のベスト10」と書いた記憶があるけど、ベスト3にしよう。
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