もしかしたら PdM というものが何を指すのかが違うのかもしれないけど、自分は一つのプロダクトには PdM は一人であるべきだと思っている。0人でもたくさんでもない。
一人の人が描く世界観や統一感というものが合議的な方法では出てこないシャープさを出してくれる
バックログを整理していく、仮説検証を進める、優先順位を決めるだけの PdM なら別に何人いてもなんと呼んでも変わらないけど、あるプロダクトの思想を決めていくという意味での PdM は一人。映画やスポーツの監督が一人であるのと同じ。
全員で協力して個々人がオーナーシップを持っていくべきなのはそう。でも道を決めるのは一人。
自分の組織では FDE が何人生まれようと PdM は PdM で必ず一人置き続けたいと思ってる
「PdMを廃止しました」という決断をしたスタートアップの話が刺さりすぎた📝
■ なぜPdMを廃止したのか
・従来の組織は「営業 → PdM → エンジニア」というリレー構造になっていて、お客様の声とプロダクトをつなぐ役割が1職種に集中していました。しかし、これには構造的な問題があります。まず、エンタープライズのペインは『深さ』が命なのに、伝言ゲームで薄まる。そして役割分担がリレーである以上、後発SaaSにとっては遅すぎる。
そこで同社は「PdMに閉じ込める」という構造そのものを捨てました。代わりに採用した考え方が『1人1人がPdM・製品/機能責任者になる』というもの。役割名としてのPdMを置かず、それぞれのロールが製品責任を持つ形に再設計したのです。
■ 新設したロール「FDE」とは
特に印象的なのは、PdMの代わりに新設された「FDE(Forward Deployed Engineer)」という役割です。Palantirが起源の概念で「誰よりも業務を理解して、As-Is To-Beを描きながら、自分で開発し、お客様の『できない』を解決する役割」と定義されています。
FDEに求められるのは、ドメイン理解力、仮説構築力、実装力、コミュニケーション力の4つ。
・PMとの違いは『自分でコードを書ける/モックを開発し、語れる』こと
・エンジニアとの違いは『お客様と直接話して仮説を構築できる』こと
・PdMとの違いは『お客様が課題を解決することに責任を持つ/1社に深く入り込む』こと
つまりFDEは、ペインを聞く人と作る人が"同一人物"であるべきという思想を体現したロールなのです。
■ 「ラストワンマイル」と「WOWの終焉」
1つ目は『ラストワンマイル問題』。お客様の中でAIによってアイデアは広がっているけれど、それを組織として運用に乗せるところは、ほとんど進んでいない。個人で作れるもの(プロト・PoC)と、組織で回るもの(共通AIの組織導入、業務オペレーションへの組込み、ROIが出るプロダクト)は、別物。その差を埋めるのがFDEの仕事と位置付けています。
2つ目は『WOWが生まれにくくなっている』ということ。以前はAIで何かを見せるだけでお客様が「WOW」と言ってくれた。でも今はChatGPTもCursorもCopilotも皆が触っていて、お客様のリテラシーが圧倒的に上がった。普通のことではもう驚かない、と。
ではこれからは何で価値を出すのか。答えは「業務をお客様以上に深く理解し、質の高いアウトプットを、速く出せるかどうか」。
■ これから求められるスキル
『営業力 × コンサル力 × 開発力』の掛け算で全部できる必要はないけれど、何かが突出して強くないと辛い。器用貧乏では深いペインに届かない、と断言されています。
そして自分の強みを軸に、他の領域にも『越境する意志』があるかどうか。これがAI時代のケイパビリティを定義しているのだと思います。
PdMという職種が不要というより、職種として線を引くこと自体が後発スタートアップの足かせになっている、というメッセージとして受け取りました。AI時代の組織論として一読の価値ありです。