「レコードがCDを駆逐する」
そんな話を時々見かけるが、日本ではむしろ逆だと思っている。
なぜなら日本人は本質的に「品質管理が好きな民族」だからだ。
レコードは確かに魅力的だ。ジャケットは大きく所有欲を満たし、再生という行為そのものに儀式性がある。
しかし、その代償として盤の反り、スクラッチノイズ、静電気、埃、針摩耗、カートリッジ調整、保管スペースなど数え切れない手間を抱えている。
対してCDはどうか。
再生ボタンを押せば、今日も明日も10年後も同じ音が出る。
温度や湿度に神経質になる必要もない。
片手で棚から取り出せる。
引っ越しも楽。
そして何より、日本盤CDは世界最高レベルの品質を誇る。
SHM-CD、Blu-spec CD、DSDリマスター、24bitリマスターなど、日本は世界でも稀な「CD文化を育て続けた国」だ。
さらに現代にはサブスクがある。
新譜探索や試聴はサブスク。
気に入った作品はCD。
この組み合わせが合理的すぎる。
レコードが消えることはないだろう。
だが主流になることもない。
レコードは趣味。
サブスクは利便性。
CDは所有。
結局、日本人が最後に選ぶのは「面倒が少なく、高品質で、長く楽しめるもの」だと思う。
私はレコードも好きだ。
しかし30年後も残っているのは、おそらくサブスクとCDだろう。
そして中古屋の棚で静かに輝き続ける名盤CDを、私たちオーディオオタクは今日も漁っている気がする。