この小池さんの。皇位継承を男系男子に限るのはおかしいという憲法の立場から意見に対して、根拠をもって反論できた政党はあるのでしょうか。明後日の10日にも立法府の総意としてまとめたいとの意向が正副議長から示されているとのことですが、立法府の総意にできる状況ではないでしょ。
今日の全体会議で、以下のように発言しました。
衆参正副議長により示された「議論のとりまとめ(案)」について、日本共産党としての意見を述べる。
私がこれまで全体会議で繰り返し述べてきたように、天皇の制度の問題は日本国憲法の条項と精神に基づいて議論、検討すべきである。しかし、この「とりまとめ(案)」は、天皇は男系男子によって継承されるべきということが「不動の原則」になっており、憲法にてらして、大きな問題があると考える。
日本国憲法は、日本国民統合の象徴である天皇の地位の根拠は、主権の存する国民の総意に基づくとしており、この規定に照らせば、多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもない。
女性だから天皇になれないというのは、男女平等を掲げる憲法の精神に反する。
憲法第二条は、皇位を世襲のものとしているが、この「世襲」は女性を排除するものではないというのが憲法制定時の政府見解だ。1946年7月の憲法制定議会において金森徳次郎国務大臣は、憲法第二条が、大日本帝国憲法にあった「皇男子孫」という文言をなぜ削除したのかという質問に対して、根本的な支障がない限り男女の差別を置かないというのが憲法の考え方だとして、二条についても「男女の区別につきましては、法律問題として自由に考えて宜いという立場」であると答弁している。
こうした憲法の成り立ちを無視して、「男系男子」継承を不動の原則とした議論は、憲法の精神に反するものだと言わざるを得ない。
女性天皇、女系天皇について正面から議論すべきである。
これまでの全体会議で、憲法上の根本問題を再三指摘したにもかかわらず、まともな検討もされず、広く国民の意見を聞くこともないまま、「立法府の総意」としてとりまとめることには強く反対する。
「とりまとめ(案)」で「了とする」とされた第1案の「女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することとする」案については、女性天皇を認めないにもかかわらず、女性皇族を婚姻後も本人の意思にかかわらず皇室にとどめるものである。経過措置として現在の内親王、女王についてはその意向を尊重するとしている。しかし、皇族数の確保のためとあらば、女性皇族の自己決定権や幸福追求権を過度に制約することが許されるなどというのは、まったく議論が逆転している。女性・女系天皇を認めた上で、女性皇族は男性皇族と同等の制度として検討すべきと考える。
第2案の「皇族には認められていない養子縁組を可能にし、皇統に属する男系の男子を皇族とする」ことには重大な問題がある。この案は、2005年の有識者会議の報告書で「国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難である」として否定されたものである。
そもそも一般国民として生まれ育った人を特別な身分である皇族にすることが、憲法14条1項が否定した「門地による差別」に抵触することは明らかである。
さらに、今回の養子縁組制度が、養子として皇族となった方の子孫に皇位継承資格を持たせようとする議論と一体のものであることは看過できない。
宮内庁で研究職を務めた鹿内浩胤(しかないひろたね)氏は、養子制度の創設について、「皇位継承の『客観性』が保てるのかということ。明治の旧皇室典範が養子を禁じたのは、養子が政治的に利用され、皇位継承などでの混乱を招いた苦い歴史への深い反省に基づいています」と指摘している。
ましてや日本国憲法のもとで国民の総意に基づく象徴である天皇の制度が、政治的に利用されるようなことを決して許してはならない。
このような問題点を抱えた「とりまとめ(案)」を、反対意見を一顧だにせず、「立法府の総意」とすることは、到底容認できない。
「とりまとめ(案)」に、「象徴天皇制が国民の総意に基づくもの」という記述もあるように、日本国憲法が定めた天皇の地位の根拠は、国民の総意に基づくものである。
そして、どの世論調査をみても、国民の大多数が女性天皇に賛成している。
ならば、国民のこの総意に応える議論を進めるのが立法府の責務であり、国民世論を無視する形で立法府の議論を進めること自体が、憲法の条項と精神に反するものといわなければならない。
衆参正副議長がこの「とりまとめ(案)」の内容を「立法府の総意」として政府に報告し、立法作業を要請することに断固として反対する。
国民の総意に反する議論を白紙に戻し、女性天皇について正面から議論すべきであることを重ねて申し述べて、「とりまとめ(案)」への反対意見とする。