実物経済の危機には実物の対策が要る。
金融危機と資源危機では、必要な政策がまったく違う。
【1973年 第一次オイルショック】
中東戦争でアラブ産油国が禁輸・減産。
日本は原油輸入の8割を中東に依存していた。
田中角栄内閣がやったこと:
・石油需給適正化法(緊急立法)
・国民生活安定緊急措置法(価格統制・買い占め規制)
・電力使用制限令(ネオン消灯、テレビ深夜放送停止)
・石油備蓄の国家義務化(→これが今の国家備蓄の原点)
→ モノが足りない危機に、モノの対策で応じた
パニック(トイレットペーパー騒動)は起きたけど、
政府が「これは実物の危機だ」と認識して動いたから、 半年で産業構造の転換にまで踏み込んだ。
【1998年 金融危機】
山一證券破綻、拓銀破綻、信用収縮。
→ これは金融システムの危機だった。
→ だから公的資金注入と金融緩和で対応できた。
モノは動いてた。工場も回ってた。 止まってたのはカネの流れ。 だからカネの対策で正しかった。
【2026年 ホルムズ危機】
→ 今回は1973年型。モノが止まってる。
それよりもっと酷い。
9割輸入の原油・ナフサの途絶。
原油は備蓄がある(254日分)。
でもナフサ備蓄は約20日。
エチレン、プラスチックの途絶の危機にある。
なのに経産省がやってること:
「価格転嫁を進めましょう」
「賃上げを止めないで」
→ これ、1998年型の対応なんだよ
→ カネの調整で乗り切ろうとしてる
モノが消えてるのに、カネの話をしてる。
1973年の田中内閣は2週間で緊急立法した。
2026年の今の政権は、3週間経ってTwitterで「賃上げしろ」
危機の性質を見誤ると、対策が全部ズレる。
今必要なのは:
・緊急の配給
・優先供給体制
・企業への直接的な雇用維持支援
・医療物資の国家管理
・ナフサ・石化製品の戦略備蓄制度の即時検討
金融緩和では、注射針もカテーテルも湧いてこない。