指導医「解説です!」
今回のテーマは、仰臥位胸部X線で注目すべきポイントです。
解説スライド:臥位画像を見てください。
a) Deep sulcus sign:
主に仰臥位AP胸部X線で気胸を疑う重要な所見です。
立位撮影では、胸腔内の空気は最も高い位置である肺尖部に集まりやすく、肺尖部の胸膜線として認められることが一般的です。
一方、仰臥位では、前方や外側、横隔膜付近が胸腔内の最も高い位置となり得るため、空気は肺尖部ではなく、外側肋骨横隔膜角や前方肋骨横隔膜陥凹に集まりやすくなります。
その結果、患側の肋骨横隔膜角が反対側と比べて異常に深く、黒く、鋭く見えることがあります。
これが Deep sulcus sign です。
b) その他に臥位撮影で気胸を疑う所見:
空気の位置によっては、横隔膜や心陰影の辺縁に貯まり、それらの輪郭が明瞭に見えることがあります。
外傷患者やICU患者の仰臥位胸部X線を読影する際には、肺尖部だけを確認して「気胸なし」と判断するのではなく、これらの所見に注意してください。
答え:B (難易度は高)
解説スライド:立位画像
本症例は、Case courtesy of Charlie Chia-Tsong Hsu, Radiopaedia, rID: 35262 を引用しています。
同ページに同一患者さんの立位画像があります。スライドを見てください。立位では、右肺尖に気胸を認めます。
まとめ:
臥位撮影において、Deep sulcus signなどの所見は、
時に読みすぎである可能性もありますが、気胸を示唆する重要所見と言えるため、疑った場合には立位撮影やCT、エコーなどでの再評価を検討しましょう。
研修医「48歳男性、交通外傷で搬送!」
当直医「なにィ!?ABCDEは?」※1
研修医「はいっ!全部オッケーです!」
当直医「なにィ!?FASTは!」※2
研修医「はいっ!陰性です!」
当直医「よし、ポータブルレントゲンだ!」
研修医「大きな異常、なさそうです!」
(……スタスタスタスタスタ)
通りすがりの指導医(……ん?)
「なにィ!?こ、これはァ~!?」
研修医・当直医「な、なにィィィ!?」
??『はたしてどこがあやしいのか?』