【皇室典範改正は、麻生太郎氏のためにあるのか】
今回の皇室典範改正の議論を見ていて、私には強い違和感があります。
男系か女系か。旧宮家をどう考えるのか。論点は様々あります。しかし、その前に問うべきことがあります。
なぜ麻生太郎氏や森英介氏のように、皇室と縁戚関係を持つ政治家たちが、これほど大きな影響力を持って議論を動かしているのか、ということです。れんほうさんのご指摘もごもっともです。
政治史研究の第一人者で、政府の有識者会議も数多く務めてきた御厨貴氏は、政治的権力者と皇室との距離が近づけば、皇族の政治的中立性が揺らぐ可能性があると警鐘を鳴らしました。
私は、この指摘は極めて重いと思います。
日本の歴史を振り返れば、藤原氏は天皇家との姻戚関係を背景に大きな権力を握りました。もちろん時代も制度も異なります。しかし、だからこそ現代日本は、政治権力と皇室との間に一定の距離を保ち、天皇を「国民統合の象徴」と位置付けてきたのではないでしょうか。
皇室典範改正は、誰か一人の政治家の悲願でも、政治家人生の集大成でもありません。ましてや歴史に名前を残すための事業であってはならない。
皇室は政治家のものではなく、国民統合の象徴です。
だからこそ必要なのは、有力政治家の意向ではなく、国民の理解と納得です。
皇室を守るとは、皇室を政治利用しないこと。その大原則だけは、決して見失ってはならないと思います。
「三笠宮寬仁親王妃家に養子が取られたら、麻生さんが天皇の外戚になり、平安時代の藤原氏のようになる。政治的権力者と天皇の権威との距離がぐっと近くなって、皇族の政治的中立性が揺らぐ可能性もある」(御厨貴)
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