IEIK13特許で再確認
3Dマトリックスがまだまだ成長する根拠の一つレオロジー優位性
NxPura
PuraStat(RADA16)は、3-D Matrix公式でも、ESD/EMR後の軽度〜中等度出血、術中出血、術後出血予防の補助・救済用途に位置づけられています。
3dmatrix.com/en-us/purastat-…
ただ、抗凝固薬内服中ハイリスク患者のESD後出血予防では、必ずしも強い優位性を示せていません。
これは不思議ではありません。他の止血材も同様のはずです。
抗凝固薬が邪魔するのは、いわゆる二次止血です。血小板で一時的にふたをした後、トロンビン→フィブリンで血栓を固める工程です。
つまり、表面をコーティングしても、その奥で安定したフィブリン血栓が作れなければ、数日後に再出血しやすいわけです。
さらにESD後潰瘍は、腸管蠕動、消化液、胆汁、便、洗浄、壊死組織の脱落など、止血材にとってかなり過酷な環境です。
ここで気になるのが、次世代ペプチド IEIK13なわけです。
3-D Matrix関連の特許では、RADA16、KLD12、IEIK13のレオロジー強度は、
IEIK13 > KLD12 > RADA16
と示されています。
patents.google.com/patent/WO…
レオロジーとは、簡単に言えば、ゲルの「硬さ」「流れにくさ」「こすられても戻る力」を見る材料評価です。
その中の 貯蔵弾性率 G’は、ゲルが形を保つ力ですが、数値が高いほど、柔らかいコーティングではなく、より強い“物理的なふた”になります。
特許データでは、1% IEIK13の貯蔵弾性率は2.5% RADA16より高く、同じ濃度ならIEIK13の方が明らかに強いゲルを作ります。
patentimages.storage.googlea…
さらに特許では、高いstiffness、速いgelation、速いrecoveryを持つペプチドは、hemostasis / tissue plug / vascular plug に適すると説明されています。
patents.google.com/patent/WO…
これは抗凝固薬内服患者では重要です。
抗凝固薬で弱くなるのは、フィブリン血栓による生物学的な固まりです。
IEIK13が期待されるのは、それを直接改善するのではなく、より強いハイドロゲルで出血点・露出血管を機械的に守ることです。
つまり、
RADA16=やわらかい被覆・止血補助
IEIK13=より強い物理的プラグ
という設計思想なのです。
実際、IEIK13は脳外科領域のfirst-in-human臨床試験で、oozing bleedingに対して3分以内止血94.1%、1分以内止血89.2%と報告されています。
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4005…
もちろん、これは脳外科の術中即時止血であり、消化管ESD後の遅延性出血予防を直接証明するものではありません。
それでも、抗凝固薬内服、巨大病変、右側結腸、直腸、再開通リスクの高い露出血管など、ハイリスクESD症例では、RADA16より強い物性を持つIEIK13に、遅延性出血予防の可能性を感じます。
ポイントは「凝固を強める」のではなく、凝固に頼れない患者で、物理的バリアをどこまで強化できるかだと思います。
IEIK13の大腸ESDでの臨床効果を早く知りたいです。
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