【B.E. Meyers社の開発思想と内部視点】
GLARE RECOILの開発には、B.E. Meyers社のエンジニアや経営陣の明確なビジョンが反映されています。
同社社長のマット・マイヤーズ氏は「戦術的な判断が戦略的結果をもたらしうる」と述べており、兵士が現場で取る抑制的な措置が広範な影響を及ぼすことを強調しています。
これはすなわち、不審対象への威嚇・警告の段階で非致死性手段を適切に用いることが、誤射による民間人の犠牲や不必要なエスカレーションを防ぎ、ひいては戦略的な信頼関係の維持につながるという哲学です。
GLARE RECOILシステムはまさにこの思想の産物であり、「安全かつ効果的に、あらゆる距離で対応できる警告レーザーの威嚇能力を、陸上および海上の運用に統合することが重要だ」とマイヤーズ氏は述べています。
同社は要求に先んじて自社資金で開発を進める内発的な技術志向を持ち、GLARE RECOILも外部資金に頼らず社内R&Dから生み出されたことが強調されています。
これにより設計上の自由度と独自性が確保され、従来にない革新的コンセプトを盛り込むことが可能となりました。
開発陣が最も重視したテーマは「人に害を与えずに人を守る」ことでした。
レーザー兵器の分野では高出力化が重視されがちですが、B.E. Meyers社は早くからEyeSafe™技術(安全なレーザー出力管理)に着目し、味方や無関係な周囲へのリスクゼロで効果を発揮する装置の実現に注力しました。
SmartRange™や自動遮断機構はその表れであり、「オペレータが引き金を引いても、もし対象との距離が近すぎれば機械が出力を絞って決して相手を失明させない」という安全策が組み込まれています。
一方で現場で使える堅牢さと簡便さも追求され、複雑な電子機能を内蔵しつつも操作系は直感的で耐環境性も高く設計されています。
複数のモードを持ちながらも、兵士が高いストレス下で扱いやすいユーザーインターフェースが与えられており、この点について社内エンジニアは「暗闇や戦闘下でもグローブ越しに確実に操作できるよう配慮した」と述べています。
また、陸海空あらゆる軍種・部隊で使える汎用性も意識されており、歩兵のパトロール、市街地での遮蔽対象への警告、検問所での車両停止警告、群衆制圧、建物立てこもり対処、艦艇から小型船への警告発砲代替など、「エスカレーション・オブ・フォース(段階的武力行使)」全般を1台で支援するとの位置付けがされています。
この包括的な運用思想は、同社の開発陣が軍から提示された仕様以上に広い視野で製品コンセプトを練り上げたことを示しています。
軍事分野では近年ドローンへの対抗手段としてレーザーダズラーへの関心が再び高まっており、装甲車両や艦艇への搭載も含めた新たな応用が検討されています。
GLARE RECOILで培われた技術は、こうした次世代システム(例えば米海軍のODINやHELIOSといった高エネルギーレーザー・ダズラー統合システム)にも通じるものがあります。
B.E. Meyers社は「フォトニクス分野のリーディングカンパニー」として、今後も安全かつ効果的な光技術によるソリューションを提供していく方針であり、GLARE RECOILの開発過程とその成功は同社エンジニアの先進的な発想と困難な要求を実現した技術力を示す好例となっています。
【参考文献】
B.E. Meyers & Co., Inc. 「GLARE RECOIL® 製品ページ」 (2025年) – 製品概要・仕様説明
B.E. Meyers & Co., Inc. 「GLARE RECOIL® 製品仕様」 – 技術仕様の詳細 (寸法・重量・出力 等)
Defense-Blog: 「U.S. Marine Corps designates B.E. Meyers & Co.’s GLARE RECOIL™ as the LA-22/U」
Soldier Systems Daily: 「BE Meyers & Co – GLARE RECOIL」(2016年10月2日) – AUSA展示会における製品紹介記事
Marine Corps Times: 「This is the laser that Marines have chosen to dazzle, hail and warn」(2018年5月29日) – 米海兵隊によるGLARE RECOIL調達計画と背景に関する報道
B.E. Meyers & Co., Inc. プレスリリース: 「USMC Designates GLARE RECOIL® as the LA-22/U」(2017年10月2日) – 同社公式発表
The War Zone (
twz.com): 「Laser Dazzlers For Defending Tanks Against Marauding Drones...」(2023年)
Naval Technology: 「BE Meyers to support USMC’s Ocular Interruption programme」(2016年) – Naval Technologyによる記事(社長コメント含む)
Soldier Systems Daily: 「Seattle Police... GLARE HELIOS Device」
米国防総省公開資料: 「Joint Non-Lethal Weapons Program Overview」(2013年) – 旧型LA-9/PおよびGLARE MOUTの性能(NOHD等)