たしかに、当面の目的としては、愛子天皇を阻止し、悠仁天皇への継承を既成事実化したい意図はあると思う。
しかし、旧宮家養子案を単なる目くらましやプランBと見るのは甘い。
本当に目くらましにすぎないなら、なぜ主要政党がここまで横並びで賛成するのか説明がつかない。
旧宮家養子案は、直系継承や女性天皇の議論を封じたまま、外部から男系男子を入れ、その子に皇位継承権を持たせる制度的な道を作るものだ。
つまりこれは先送りではない。
将来の選択肢を狭め、出口を先に固定する制度設計だ。
だから旧宮家養子案は、皇室問題だけでなく、「国家再編の一部」として見なければならない。
常識的には旧宮家(その定義も曖昧だ)からの養子とその子の天皇継承は奇策中の奇策。実際に養子選定の段階になれば今以上の論争が起きるだろう。麻生太郎の本音はとにかく従前通り男系男子を守り悠仁天皇を実現する。つまり愛子天皇を阻止することだろう。しかし、それでは天皇の継承が将来難しくなるということで、目眩し的なプランBとして養子案を出した。これは本当の意味で問題解決にはならず、将来に議論を先送りしただけだ。しかも、天皇継承の危機が本当に起きた時には選択肢はまるで無くなってしまう。