今回の日本学術会議の文書群を読んでいて気になるのは、
LGBTIの権利保障については大量に論じられているのに、
「性自認(gender identity)とは何か」
という最も基礎的な問いがほとんど検討されていないことである。
gender identity という概念は歴史的に新しく、その定義も国際的に揺れ続けている。
にもかかわらず、この文書群では、性自認を法制度の基礎概念として用いることの影響が十分に検討されていない。
問題は権利保障そのものではない。
問題は、
・法的性別
・身体的性別(sex)
・性自認(gender identity)
・生殖
・医療
・統計
・スポーツ
・特例法
がどのような関係にあるのかである。
性自認を性別そのものとして扱うなら、
体細胞クローン技術規制法をはじめ、既存法体系が前提する sex 概念との整合性を説明しなければならない。
しかし、その説明は見当たらない。
権利の議論だけが先行し、
概念の定義と法体系全体の整合性の議論が置き去りになっている。
そこに現在の議論の最大の問題があるように思う。
皆さんへ
6/11公表された日本学術会議・法学委員会「社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会」の「見解」という提言書を読んでみて下さい。
ほぼ完全にトランス・ロビー団体「LGBT法連合会」(日本のStonewall)の主張と一体化したもので、今起こっている事態は想像以上に深刻です。