「大阪市はなくならない。再編だ」というフレーズには制度を正確に説明する意図はなく、有権者の心理を操作し、論理的な議論から注意をそらすための言語戦略が見え隠れする。住民投票の対象を大阪市から大阪府全体へ拡大する方針とも無関係ではない。「大阪市廃止」なら住民投票の主体は大阪市民になるが、「府市再編」では投票主体が大阪府民という構図になる。ポピュリズム政党らしいコミュニケーション手法だ。
維新が言うところの「大阪都構想」は大阪市を廃止することが出発点なのに、それを否定する言説は誠実ではなく、まるで何かを恐れているかのようだ。本来、大阪市廃止を肯定したうえで議論は始まるが、かたくなに「大阪市はなくならない」と言うこと自体、都構想のヤバさを維新自身が暗に認めているかのようである。