日銀の利上げ軌道に異論はないが、一方でインフレの基調にそこまで悲観的にならなくても良いようにも思える。
最近のインフレは、予想よりもマイルドである。補助金まみれで本来より低くなっているから額面通り受け取ってはいけない、は事実だが、その上で、過熱感は乏しい。つまり、円の紙くず化というのは、総悲観されている割には実際はそこまで急速に紙くず化していない。首都圏のマンション価格などみてもそんな雰囲気はある。金利ある世界に到達するまでの狂乱は過ぎ去ったと見える。狂乱のインフレモメンタムは、金利ある世界ならば簡単には継続しない。
無論、高市政権のバラマキは円に悪材料ではあるし、積極的為替介入は褒められたものではないが、インフレの火に油を注ぐとして、そのインフレの火はそんなに大きなものには見えない。そして、高市政権も、結局は財政のコストを、相場を通じて気にせざるを得ない状況であることは明白。高圧経済といっても、あまり無尽蔵にはできないのだ。
つまり、日銀の利上げの終着点や日本のインフレ圧力は過大に、円の先行きは過度に悲観的に見積もられている可能性はあるのではないかと思う。
全国の先行する東京都区部CPIは予想を下回る。
補助金まみれで押し下げられているのでこれを以て2%未達、利上げ不要、利下げしろ、という議論に意味はないものの、予想を下回ったということは、エコノミストが想定した補助金下押し要因以外の要素のインフレ圧力がそこまで大きくなかったということ。
これは、先日の4月の全国CPIに続いて、日銀に朗報ですね。利上げ途中で中東リスク顕在化してしまい焦っているところ、到達すべきターミナルはそこまで高くないかもしれない、つまり、今後やるべき利上げはそんなに多くなくても良いかもしれないということですね。