1分もあれば、10秒くらいは喋らないで聴衆を見る時間を取りますね。
流暢なスピーチに憧れる人間が多い。淀みなく、堂々と、流れるように話す。見ていて気持ちいい。信用できない。
この矛盾を1500件以上のインタビュー現場で見続けてきた。準備された言葉は滑らかすぎて、その人間が見えなくなる。
言葉より先に、空気が伝わる。
10秒間黙って聴衆を見る。その沈黙の中に、その人間の全部が出る。緊張しているか。覚悟があるか。本気で伝えようとしているか。
言葉を発する前の空気が、聴衆の受け取り方を決める。滑らかな言葉はその空気を上書きできない。
言葉と空気が一致していない人間は、どれだけ上手く話しても信用されない。
磨くべきは滑らかさではない。一致だ。
言葉と非言語と空気が一致している人間の話は、上手くなくても届く。詰まっても、間違えても、それが本人の言葉だと聴衆は感じる。
感じた瞬間に信頼が生まれる。
準備された言葉を捨てろ。10秒黙って、自分の言葉を探せ。その沈黙が最も雄弁だ。
TEDのような、完璧なスピーチに憧れて、
話し方を磨く人は多い。
淀みなく、堂々と、流れるように話す。
たしかに、見ていて気持ちがいい。
でも、ビジネスの現場では、
流暢すぎる人ほど、
"どこか信用しきれない"
という反応が起きることがある。
なぜか。
人が本当に受け取っているのは、
言葉そのものより、
"言葉以前の空気" のほうだから。
あまりに滑らかな言葉は、
非言語や空気と一致しないとき、
「準備された言葉」に聞こえる。
そして、その人自身が、見えなくなる。
私が1分自己紹介の現場で
ずっと整えているのは、ここ。
言葉だけじゃない、
言葉・非言語・空気の "一致"。
上手さは、目を引く。
でも、信頼は、別の場所から来る。
磨くべきは、滑らかさじゃない。
それが、本当に自分の口から出た
言葉であるかどうか、それだけ。
——あなたの自己紹介の言葉は、
"準備されたもの" ですか、
"あなた自身" ですか。